抗VEGF硝子体内注射
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抗VEGF硝子体内注射|ものが歪んで見える・中心が見えにくい方へ
杉本眼科医院(神奈川県秦野市鶴巻北2-2-26/小田急線 鶴巻温泉駅より徒歩3分)では、加齢黄斑変性、網膜静脈閉塞症に伴う黄斑浮腫、糖尿病黄斑浮腫に対する抗VEGF硝子体内注射(抗VEGF療法)を行っています。
注射そのものは数秒で終わり、点眼麻酔を使用するため強い痛みはほとんどありません。入院の必要はなく、当日中にご帰宅いただけます。
「ものが歪んで見える」「見ようとしたところの中心が暗い・欠けている」「片目だけ急に見えにくくなった」といった症状は、目の奥にある黄斑という部分に異常が起きているサインかもしれません。
黄斑の病気は、放置した期間が長いほど視力の回復が難しくなります。気づいた時点で、できるだけ早く眼科を受診してください。

こんな見え方は黄斑の病気のサインかもしれません
黄斑は網膜の中心にあり、ものの形や色をはっきりと見分ける役割を担っています。
ここに異常が起きると、視野全体ではなく「見ようとしたまさにその部分」が見えにくくなるのが特徴です。
- まっすぐな線が波打って見える、ゆがんで見える(変視症)
- 見ようとしたところの中心が暗い、または欠けて見える(中心暗点)
- 文字の一部が抜けて読めない
- 片目だけ、急に見えにくくなった
- 色が以前よりくすんで見える、左右の目で色の見え方が違う
- ものが小さく見える、または大きく見える
これらの症状は、両目で見ていると気づきにくいことがあります。
片目ずつ手で覆って、カレンダーの枠や窓のサッシ、タイルの目地など、まっすぐな線を見比べてみてください。片目だけ線が波打って見える場合は、早めの受診をおすすめします。
なお、これらの症状は黄斑の病気以外でも起こることがあります。自己判断せず、眼科での検査で原因を確かめることが大切です。
抗VEGF硝子体内注射とは
抗VEGF硝子体内注射とは、目の中(硝子体)に直接お薬を注射して、網膜のむくみ(黄斑浮腫)や異常な血管(新生血管)を抑える治療です。硝子体注射、抗VEGF療法とも呼ばれます。
目の中の酸素が不足すると、VEGF(血管内皮増殖因子)という物質が過剰につくられます。
VEGFには新しい血管をつくる働きがありますが、このときできる血管はもろく、血液の成分や水分が漏れ出しやすいという性質があります。漏れ出した成分が黄斑にたまると、網膜がむくんだり出血したりして、ものが歪んで見える、中心が見えにくいといった症状が起こります。
抗VEGF薬は、このVEGFの働きを抑えることで、新生血管の発生を抑え、漏れ出した水分を引かせる効果が期待できるお薬です。
網膜の状態が改善することで、視力の低下を抑えたり、見え方の改善が得られたりします。
現在、黄斑の病気に対する治療の中心となっている方法で、日本眼科学会の診療ガイドラインにおいても標準的な治療として位置づけられています。
抗VEGF硝子体内注射の対象となる病気
当院では、主に次の病気に対して抗VEGF硝子体内注射を行っています。
加齢黄斑変性(滲出型)
加齢にともなって黄斑に異常な新生血管が生え、出血やむくみを起こす病気です。50歳以上の方に多くみられ、日本人の中途失明原因の上位に挙げられています。
「ものが歪んで見える」という症状から始まることが多く、進行すると中心が見えなくなり、読書や人の顔の識別が難しくなります。
滲出型(しんしゅつがた)と呼ばれるタイプが抗VEGF硝子体内注射の対象で、日本人ではこのタイプが大半を占めます。
早期に治療を開始するほど、視力を保てる可能性が高くなります。喫煙は発症の危険因子とされているため、禁煙もあわせておすすめしています。
網膜静脈閉塞症にともなう黄斑浮腫
網膜の静脈が詰まることで血液の流れが滞り、出血やむくみを起こす病気です。詰まる場所によって、網膜中心静脈閉塞症と網膜静脈分枝閉塞症に分けられます。
高血圧、動脈硬化、糖尿病などをお持ちの方に起こりやすく、ある日突然、片目が見えにくくなるのが特徴です。
黄斑にむくみが及ぶと視力が大きく低下するため、抗VEGF硝子体内注射でむくみを抑える治療を行います。
血流が途絶えた範囲が広い場合は、網膜光凝固術(レーザー治療)を組み合わせて治療することもあります。
血圧や血糖のコントロールなど、全身の管理もあわせて重要になります。必要に応じて内科と連携しながら治療を進めます。
糖尿病黄斑浮腫
糖尿病による網膜の血管障害(糖尿病網膜症)が進み、黄斑にむくみが生じた状態です。
糖尿病網膜症の進行度にかかわらず起こる可能性があり、糖尿病の方の視力低下の主な原因のひとつです。
初期は自覚症状が乏しく、気づいたときには進行しているケースが少なくありません。糖尿病と診断されている方は、目の症状がなくても定期的な眼底検査を受けることが大切です。
抗VEGF硝子体内注射でむくみを抑えながら、血糖コントロールを含めた全身の治療を並行して行っていきます。
その他の病気
病的近視にともなう脈絡膜新生血管など、上記以外の病気に対して抗VEGF硝子体内注射を行う場合もあります。検査結果をもとに、適応があるかどうかをご説明します。
治療の前に行う検査
抗VEGF硝子体内注射が必要かどうかを判断し、治療の効果を確認するために、次のような検査を行います。
| 検査 | 目的 |
|---|---|
| 視力検査・眼圧検査 | 現在の見え方と目の状態を確認します。 |
| 眼底検査 | 瞳を開くお薬(散瞳薬)を使い、網膜の出血やむくみの状態を直接観察します。 |
| OCT | 網膜の断面を撮影し、黄斑のむくみの厚みや広がりをミリ単位で確認します。治療前後の比較にも用います。 |
散瞳薬を使った検査を行った日は、数時間まぶしさやピントの合いにくさが続きます。ご自身の運転でのご来院はお控えください。
注射当日の流れ
注射そのものにかかる時間は数秒ですが、前後の消毒や検査を含めて、院内での滞在時間はおよそ1時間程度をみてください。
当院では、注射は毎週火曜日の午後に行っています。
| 段階 | 内容 |
|---|---|
| 1. 受付・診察 | 視力検査やOCTで、当日の目の状態を確認します。 |
| 2. 点眼麻酔 | 麻酔の点眼薬を数回さし、目の表面の感覚をなくします。 |
| 3. 洗眼・消毒 | 感染を防ぐため、まぶたの周囲と目の表面を十分に消毒します。 |
| 4. 注射 | まぶたが閉じないよう器具で軽く固定し、白目の部分から目の中へお薬を注射します。注射自体は数秒で終わります。 |
| 5. 消毒・点眼 | 注射後にもう一度消毒を行い、抗菌薬の点眼をします。 |
| 6. 帰宅 | 当日中にご帰宅いただけます。数日間、感染予防のための点眼薬を続けていただきます。 |
注射の際は器具でまぶたを開いた状態にするため、「目を閉じられない」「注射が見えてしまうのでは」と不安に思われる方が多くいらっしゃいます。
実際には、注射の瞬間は光がまぶしく感じられる程度で、針そのものがはっきり見えることはほとんどありません。
※注射を行っている曜日・時間帯:火曜日の午後に施術します。

注射の回数と治療のスケジュール
抗VEGF硝子体内注射は、1回で治療が完結する治療ではありません。
病気の勢いを抑えるために、はじめは続けて注射を行い、その後は状態をみながら間隔を調整していきます。
当院では、まず1か月ごとに3回の注射を行って病気の勢いを抑え(導入期)、その後は検査の結果に応じて注射の間隔を空けていきます(維持期)。
間隔を少しずつ延ばしながら、再発しない範囲で注射の回数を減らしていく方法が広く行われています。
必要な回数や間隔は、病気の種類、進行の程度、お薬への反応によって大きく異なります。
同じ病名でも、数回の注射で落ち着く方もいれば、長期にわたって定期的な注射が必要な方もいらっしゃいます。
大切なのは、症状が落ち着いたあとも定期的に検査を受けていただくことです。見え方が改善しても、治療を自己判断で中断すると再発することがあり、再発を繰り返すうちに視力が戻りにくくなってしまいます。
通院の負担についてご不安があれば、遠慮なくご相談ください。生活の状況に合わせて、無理なく続けられる方法を一緒に考えます。
費用の目安
抗VEGF硝子体内注射は、健康保険が適用される治療です。
ただし使用するお薬が高価なため、1回あたりの自己負担額は他の目の治療に比べて高くなります。
| 自己負担割合 | 1回・片眼あたりの費用の目安 |
|---|---|
| 1割負担 | 約15,000円 |
| 2割負担 | 約30,000円 |
| 3割負担 | 約45,000円 |
上記は薬剤費と注射手技料の目安で、検査料や再診料は別途かかります。
※費用は診療報酬改定により変動します。実際の金額は診察時に個別にご案内いたします。
高額療養費制度をご利用いただけます
1か月の医療費の自己負担額が一定の上限を超えた場合、超えた分が払い戻される高額療養費制度があります。上限額は年齢と所得によって決まります。
加入されている健康保険の窓口で「限度額適用認定証」を事前に取得し、受診時に提示していただくと、窓口でのお支払いを上限額までに抑えることができます。
マイナンバーカードを健康保険証として利用されている場合は、認定証がなくても同様の取り扱いが可能です。
当院ではマイナンバーカードの健康保険証利用に対応しており、お会計はクレジットカードでのお支払いも可能です。
費用面でご不安がある場合は、治療を始める前に遠慮なくご相談ください。
使用するお薬について
当院で採用している抗VEGF薬は「アイリーア」(一般名:アフリベルセプト)のみです。
アイリーアは、加齢黄斑変性、網膜静脈閉塞症にともなう黄斑浮腫、糖尿病黄斑浮腫のいずれにも保険適用があり、国内で広く使われている抗VEGF薬です。
投与量の異なる2つの規格(アイリーア/アイリーア8mg)があり、病気の種類、これまでの治療経過、お薬への反応をふまえて使い分けます。
お薬の選択について、ご希望やご不安があればお聞かせください。他院で抗VEGF治療を受けられていた方は、これまでに使用されたお薬がわかる資料をお持ちいただけますと、治療をスムーズに引き継げます。

副作用・合併症について
抗VEGF硝子体内注射は広く行われている治療ですが、目の中に直接お薬を注射する治療であるため、一定のリスクがあります。起こりうる主なものは次のとおりです。
- 結膜下出血:白目に赤い出血が出ることがあります。痛みはなく、通常1〜2週間で自然に吸収されます。
- 眼圧の一時的な上昇:注射直後に目の中の圧力が上がることがあります。多くは自然に戻ります。
- 目のゴロゴロ感・充血:消毒薬の影響で、注射後しばらく違和感が続くことがあります。
- 飛蚊症:注射後に、小さな影が飛んで見えることがあります。
- 眼内炎:目の中に細菌が入り、強い炎症を起こす合併症です。頻度はごくわずかですが、起きた場合は視力に重大な影響が及ぶため、予防のために厳重な消毒と術後の抗菌点眼を行います。
- 網膜剥離・網膜裂孔:まれに起こることがあります。
- 全身への影響:血栓症など全身の副作用が報告されています。脳梗塞や心筋梗塞の既往がある方は、治療前に必ずお申し出ください。
また、抗VEGF硝子体内注射はすべての方に同じ効果が得られる治療ではありません。お薬の効果が十分に得られない場合や、治療をしても視力の回復が限られる場合もあります。
とくに発症からの期間が長い場合は、むくみが引いても視力が戻りにくくなります。
当院では治療前に、患者様の目の状態から予想される経過と、起こりうるリスクについて具体的にご説明します。疑問や不安な点は、どんなことでも遠慮なくお尋ねください。
次のような症状があれば、すぐにご連絡ください
注射後、数日以内に下記の症状が現れた場合は、眼内炎などの可能性があります。次回の受診日を待たずに、0463-69-3133までご連絡ください。
- 強い目の痛みが続く、または痛みが強くなっていく
- 急激に見えにくくなった
- 充血がひどくなってきた
- 目やにが大量に出る
注射後の生活で気をつけること
注射の翌日から、多くの日常生活は通常どおり再開できます。
ただし感染を防ぐため、注射後しばらくは目に水やほこりが入る行為を控えていただきます。
| 項目 | 目安 |
|---|---|
| 目薬(抗菌薬) | 指示された期間、決められた回数を必ず続けてください |
| 洗顔・洗髪 | 注射の翌日から |
| 入浴・シャワー | 当日は首から下のみ。翌日から通常どおり |
| 化粧(アイメイク) | 注射から3日後から |
| 自動車の運転 | 当日は散瞳検査の影響があるため不可。翌日以降は見え方が安定していれば可 |
| 水泳・温泉・サウナ | 1週間後から |
| 目をこする・押さえる | 感染や合併症の原因になるため、当面お控えください |
抗VEGF硝子体内注射についてよくあるご質問
Q1. 注射は痛いですか?
A. 点眼麻酔を使用するため、強い痛みを感じることはほとんどありません。
注射の瞬間に押される感覚や、消毒薬によるしみる感じを覚える方はいらっしゃいます。注射そのものは数秒で終わります。痛みや恐怖心が強い方は、事前にお申し出ください。
Q2. 目を開けたまま注射をするのが怖いのですが、注射針は見えますか?
A. まぶたが閉じないよう器具で軽く固定しますが、注射の瞬間は光がまぶしく感じられる程度で、針そのものがはっきり見えることはほとんどありません。
Q3. 1回の注射で治りますか?何回打つ必要がありますか?
A. 1回で治療が完結する治療ではありません。当院では、まず1か月ごとに3回の注射を行い、その後は検査の結果をみながら間隔を空けていきます。
必要な回数は病気の種類や進行度、お薬への反応によって大きく異なり、数回で落ち着く方もいれば、長期にわたって定期的な注射が必要な方もいらっしゃいます。
Q4. 治療をやめるとどうなりますか?
A. 見え方が改善しても、自己判断で治療を中断すると再発することがあります。
再発を繰り返すうちに視力が戻りにくくなるため、症状が落ち着いたあとも定期的に検査を受けていただくことが大切です。通院の負担についてご不安があれば、遠慮なくご相談ください。
Q5. 費用はどのくらいかかりますか?
A. 健康保険が適用されますが、使用するお薬が高価なため、1回あたりの自己負担額は他の目の治療に比べて高くなります。
1か月の自己負担額が一定額を超えた場合は高額療養費制度の対象となりますので、事前に「限度額適用認定証」を取得されることをおすすめします。
Q6. 高額療養費制度は使えますか?
A. はい、対象となります。加入されている健康保険の窓口で「限度額適用認定証」を取得し、受診時にご提示いただくと、窓口でのお支払いを自己負担の上限額までに抑えられます。
マイナンバーカードを健康保険証として利用されている場合は、認定証がなくても同様の取り扱いが可能です。
Q7. 注射の当日、自分で車を運転して来院できますか?
A. お控えください。診察や検査で瞳を開くお薬を使用するため、数時間まぶしさやピントの合いにくさが続きます。公共交通機関をご利用いただくか、ご家族の送迎をお願いします。
Q8. 注射をすればすぐによく見えるようになりますか?
A. 注射の効果があらわれる時期には個人差があります。数日から数週間かけて、むくみが引くのに合わせて見え方が改善していくことが一般的です。
一方で、発症からの期間が長い場合や、網膜の傷みが進んでいる場合は、むくみが引いても視力の回復が限られることがあります。
Q9. 両目とも注射が必要な場合、同じ日にできますか?
A. 目の状態や治療の経過によって判断します。安全性を考慮して日を分けて行う場合もありますので、診察時にご相談ください。
Q10. 糖尿病黄斑浮腫の場合、血糖のコントロールも必要ですか?
A. はい、とても重要です。注射でむくみを抑えても、血糖のコントロールが不十分だと再発しやすくなります。
内科の主治医と連携しながら、目と全身の両面から治療を進めていきます。
Q11. 他院で治療を受けていますが、転院できますか?
A. はい、可能です。これまでの治療経過がわかる診療情報提供書(紹介状)や検査結果をお持ちいただけますと、治療をスムーズに引き継げます。お手元にない場合もご相談ください。
Q12. 注射以外に治療法はありませんか?
A. 病気の種類や状態によっては、レーザー治療、ステロイドの注射、硝子体手術などの選択肢があります。
現在は抗VEGF硝子体内注射が治療の中心となっていますが、検査結果をもとに、患者様に適した方法をご提案します。
Q13. 秦野市以外からでも受診できますか?
A. はい、可能です。伊勢原市、平塚市、厚木市など近隣の市からも通院いただいています。小田急線 鶴巻温泉駅から徒歩3分、駐車場は20台分をご用意しています。
見え方の変化に気づいたら、早めにご相談ください
黄斑の病気は、放置した期間が長いほど視力の回復が難しくなります。一方で、早い段階で治療を始めれば、視力を保てる可能性が高くなります。
「ものが歪んで見える」「中心が見えにくい」と感じたら、様子を見ずに眼科を受診してください。
他院で治療を受けられている方のご相談も承っております。