【危険なサイン?】目の奥が痛い頭痛…すぐできる対処法と病院へ行く目安
パソコンやスマートフォンの画面を長時間見つめる日々の中で、夕方になると目の奥がズキズキと痛み出し、同時に頭痛に悩まされることはありませんか。「ただの疲れ目だろう」「忙しいから休めば治るはず」と放置してしまいがちですが、目の奥の痛みや頭痛には放置すると危険な病気が隠れていることもあります。日常的なストレスや筋肉の強張りからくるものから、早期の治療が必要な目の疾患、さらには命に関わる脳の病気まで、その原因は様々です。まずは痛みの特徴からご自身の状態をセルフチェックし、適切な対処法や病院を受診する目安を確認していきましょう。
まずはチェック!その目の奥の痛み、危険なサインかも?
目の奥が痛む頭痛は、単なる一時的な疲労によるものだけではありません。以下のような症状が伴う場合は、体からの重大なSOSサインである可能性が高いため、自己判断での経過観察は禁物です。
- 突然、これまでに経験したことがないほどの激しい頭痛に襲われた
- 頭痛だけでなく、手足のしびれや麻痺、ろれつが回らないなどの神経症状がある
- 激しい目の痛みとともに、急激に視力が低下したり、目の充血や激しい吐き気・嘔吐が生じたりしている
- 顔の片側だけにピリピリとした鋭い痛みや、水ぶくれを伴う発疹が現れた
これらの症状は、一刻を争う脳血管障害や、急激な眼圧上昇によって失明の危険がある急性緑内障発作などの兆候であることがあります。速やかに専門の医療機関を受診してください。
なぜ?目の奥が痛い頭痛の主な原因
目の奥の痛みと頭痛が同時に起こる背景には、頭痛自体が原因となっている場合、目そのものの異常が原因となっている場合、あるいはそれら以外の全身や脳の疾患が関与している場合の大きく4つのパターンに分けることができます。
1. 「頭痛」が原因の場合(一次性頭痛)
他の病気に伴って起こるのではなく、頭痛そのものが疾患として現れるものを一次性頭痛と呼びます。代表的な3つの頭痛について解説します。
片頭痛:ズキンズキンと脈打つような痛み
片頭痛は、頭の片側あるいは両側がズキンズキンと脈打つように痛むのが特徴です。痛みの持続時間は4時間から72時間に及び、日常生活の動作によって痛みが悪化しやすい性質があります。発作が起きる前に、視野の中にギザギザした光の波がちらつく「閃輝暗点(せんきあんてん)」と呼ばれる前兆が現れることがあります。頭蓋内の血管を囲む三叉神経の末端から、痛みや炎症を引き起こすCGRP(カルシトニン遺伝子関連ペプチド)などの物質が放出される「三叉神経血管説」がメカニズムとして有力視されています。また、脳内のセロトニンバランスが崩れることで痛みに敏感になり、光や音、匂いに対する過敏症状や吐き気を伴うことも多く、静かな暗い部屋での休息が必要となります。
緊張型頭痛:頭全体がギューッと締め付けられる痛み
頭痛全体の約6割を占める最も一般的なタイプが緊張型頭痛です。頭全体がヘルメットをかぶったようにギューッと締め付けられるような痛みが特徴で、痛みの強さは軽度から中等度です。主な原因は、首や肩、頭部の周りの筋肉の緊張とそれに伴う血行不良です。長時間のデスクワークや姿勢の悪さ、精神的なストレスなどが筋肉を硬直させ、痛み物質の放出を引き起こします。片頭痛とは異なり、体を動かしても悪化することはなく、温めたりストレッチをしたりすることで緩和しやすいのが特徴です。
群発頭痛:片目の奥にえぐられるような耐えがたい激痛
群発頭痛は、片側の目の奥や周囲に、えぐられるような極めて激しい痛みが突然走る頭痛です。痛みは15分から3時間ほど続き、一日に何度も発作を繰り返すことがあります。数週間から数ヶ月にわたり、毎日同じ時間帯に激痛が起こる「群発期」があるのが最大の特徴で、原因としては三叉神経や頭部の自律神経の異常が関与しているとされています。発作中には、痛む側の目から涙が出たり、鼻水・鼻づまりが生じたりする自律神経症状も伴います。
2. 「目の病気」が原因の場合
目の機能を酷使することや、眼球自体の構造的な問題によって引き起こされる目の痛みが、周囲の神経を伝わって頭痛のように感じられることがあります。
眼精疲労:PC・スマホの使いすぎによる慢性的な疲れ
一晩ぐっすり眠れば回復する「疲れ目」とは異なり、目を休めても目の疲れや奥の痛み、かすみ、さらには頭痛や肩こり、吐き気などの全身症状が慢性的に続く状態を「眼精疲労」と呼びます。主な原因は、スマートフォンやPCを凝視し続けることでピント調節筋肉(毛様体筋)に過度な負担がかかることです。ドライアイによる目の表面の乾燥や、近視、遠視、乱視といった屈折異常が適切に矯正されていない場合も、眼精疲労を著しく悪化させるリスク要因となります。
急性緑内障発作:急激な眼圧上昇による目の痛み・吐き気
急性緑内障発作は、眼球内を巡る「房水」と呼ばれる液体の出口が塞がれることで眼圧が急激に上昇し、視神経が強く圧迫されることで発症します。特に「原発閉塞隅角緑内障」の患者に起こりやすく、激しい目の奥の痛みや頭痛、吐き気、視野の急激な低下、目の充血などが同時に現れます。発作は治療を行わない限り持続し、放置すると数日で視神経が完全に壊死して失明に至る恐れがあるため、一刻を争う緊急事態です。もし深夜や休診日に発作が疑われる場合は、全国の医療機関を検索できる「医療情報ネット(ナビイ)」や電話案内サービスなどを活用し、すぐに受診可能な救急の眼科病院を見つける必要があります。
視神経炎などその他の眼科疾患
視覚情報を脳へ送る視神経に炎症が生じる「視神経炎」は、急激な視力低下や、視野の中心が暗くなる中心暗点、目を動かしたときの目の奥の痛みを伴います。ウイルス感染や糖尿病、多発性硬化症といった病気が背景にあることが多いです。また、細菌などが目の周囲の組織に入り込んで強い炎症を起こす「眼窩蜂窩織炎(がんかほうかしきえん)」や、目の中で重篤な感染が起こる「感染性眼内炎」なども、目を動かせないほどの激痛や発熱、視力低下を引き起こし、適切な処置が遅れると失明につながる極めて危険な疾患です。
3. 「目や頭以外の病気」が原因の場合
目や頭そのもの以外の場所に発生した炎症や神経のトラブルが、目の奥を走る神経を刺激して痛みを引き起こすことがあります。
副鼻腔炎(蓄膿症):鼻の炎症が目の奥に影響
鼻の周囲にある骨の空洞「副鼻腔」に細菌やウイルスが感染して炎症が起き、膿が溜まる病気です。鼻づまりや膿を含んだ鼻水に加えて、おでこや頬、目の奥周辺にズキズキとした重い痛みが生じるのが特徴です。また、上の奥歯の虫歯や歯周病の炎症が副鼻腔まで広がる「歯性上顎洞炎(しせいじょうがくどうえん)」でも、顔の片側に激しい痛みや頭痛、鼻づまりが発生します。
三叉神経痛:顔に突然走る鋭い痛み
三叉神経は顔の感覚を脳に伝える神経で、この神経が近くの血管によって圧迫されることで、顔の片側に突然、刺すような鋭い激痛が走る病気です。50代以降の女性に比較的多く見られ、食事、洗顔、歯磨き、髭剃りなどの刺激が引き金となって数秒から数分間激痛が走るため、日常生活に多大な支障をきたします。血管による圧迫のほか、腫瘍などの疾患が原因になることもあります。また、水ぼうそうと同じウイルスが神経節で再活性化して生じる「帯状疱疹(たいじょうほうしん)」も、顔や目の周囲の神経に沿って夜も眠れないほどの激痛と水ぶくれを伴う発疹を引き起こし、皮膚が治った後も「帯状疱疹後神経痛」として長期にわたって痛みが残ることがあります。
4. 最も注意すべき「脳の病気」の可能性(二次性頭痛)
何らかの脳の病気に起因して引き起こされる頭痛を「二次性頭痛」と呼び、これらは生命の危険を伴うことが多く最も注意が必要です。
くも膜下出血・脳梗塞など:命に関わる危険な頭痛
脳卒中は、脳の血管が詰まる脳梗塞や、脳の動脈が破れる脳出血、脳の表面を覆う膜の間に出血が起こるくも膜下出血に分類されます。特にくも膜下出血は、突然「バットで殴られたような」これまでに経験したことのない強烈な頭痛に襲われ、目の奥の痛みを伴うこともあります。また、脳や髄膜にウイルスや細菌が感染して起こる「髄膜炎」や「脳炎」では、激しい頭痛とともに高熱や吐き気、首の後ろが硬直する症状が現れます。これらの脳疾患の多くは、高血圧や脂質異常症、糖尿病などの生活習慣病による動脈硬化が背景にあり、命に関わる事態や重い後遺症を防ぐため、一刻も早い救急搬送と専門的治療が求められます。
つらい目の奥の痛みに…今すぐできる5つの対処法
目の奥がズキズキと痛んで仕事の集中力が切れたり、生活に支障が出たりした際に、その場で実践できる応急処置を5つ紹介します。症状のタイプに合わせて安全に行いましょう。
1. 目と体を十分に休ませる
最も基本的で重要な対策は、パソコンやスマートフォン、テレビなどのモニターを直ちに見るのをやめることです。視覚情報を遮断するために部屋の照明を少し落とし、目を閉じて十分な安静を確保しましょう。特に片頭痛が疑われる場合は、静かで光が入らない暗い環境で横になって休むことで、脳の過敏性を和らげ痛みを落ち着かせることができます。
2. 目元を温めて血行を促進する
眼精疲労や、首・肩こりを伴う緊張型頭痛の場合は、目元や首元を温めることで症状が緩和します。水で濡らして絞ったタオルを電子レンジで数十秒温めてホットタオルを作り、目の上にそっと乗せてください。目の周りの筋肉の緊張がほぐれ、血行が促進されます。ぬるめの湯船に浸かって体全体をリラックスさせることも有効です。ただし、脈打つような痛み(片頭痛)がある場合は、温めると逆に血管が広がって痛みが悪化するため、その場合は冷たいタオルや冷却シートで痛む部分を冷やすようにしてください。
3. 首や肩のストレッチで筋肉をほぐす
筋肉の血行不良が原因となる緊張型頭痛や、長時間のデスクワークによる姿勢の凝り固まりには、軽いストレッチが有効です。肩をゆっくり前後へ大きく回したり、首をゆっくりと左右や前後に傾けて優しく伸ばしたりしましょう。強い力を加えず、深呼吸を意識しながら体の緊張をほぐしていくのがコツです。
4. 痛みを和らげるツボを押してみる
痛みの緩和をサポートする代表的なツボを刺激してみましょう。
- 攅竹(さんちく):左右の眉頭のすぐ下にある小さなくぼみ。親指の腹で上に向けてじんわりと押し上げます。
- 太陽(たいよう):こめかみから目尻寄りのやや窪んだ部分。指の腹を当てて、優しく円を描くように揉みほぐします。
- 風池(ふうち):首の後ろの生え際、2本の太い筋肉の外側のくぼみ。親指を当てて、頭部を包み込むようにしながら心地よい強さで押します。
どの場合も強く押しすぎず、イタ気持ちいいと感じる程度の圧で行いましょう。
5. 市販の鎮痛薬や目薬を適切に使う
痛みを一時的に抑えたい場合は、市販の解熱鎮痛薬(アセトアミノフェンやイブプロフェンなど)を服用するのも有効です。また、ドライアイが原因の目の奥の痛みには、涙液成分に近い人工涙液や、ビタミン等の栄養を配合した市販の目薬を点眼することで症状が緩和することがあります。これらはあくまで一時的な対処であるため、多用を避けて早期に根本的な原因を取り除くよう意識してください。
目の奥が痛い頭痛、何科に行くべき?受診の目安を解説
症状が続いているものの、「病院に行く時間がない」「どの診療科を選べばよいのか分からない」と悩んでいる間に、事態が悪化してしまうことがあります。症状から判断する受診の目安を解説します。
こんな症状なら「眼科」へ
目の周囲の異常や視力に関する症状が強く出ている場合は、眼科を受診しましょう。
- 目の充血や目やに、ゴロゴロするような異物感がある
- 急激に視力が低下した、または視野の一部が見えづらい
- 目がかすむ、光をまぶしく感じる、ドライアイがひどい
- 目を左右上下に動かすと、特に目の奥に痛みが走る
特に眼圧の急上昇が疑われる場合や、視神経の炎症が疑われる場合は、失明を回避するために迅速な眼科での初期対応が必要です。
こんな症状なら「脳神経外科・頭痛外来」へ
頭痛が主たる症状であり、全身症状を伴う場合は、脳神経外科や頭痛専門の外来をおすすめします。
- 突然、これまでにない激しい痛みが走った
- 頭痛とともに手足のしびれ、麻痺、言葉の詰まり、ふらつきが生じる
- 痛みが徐々に強くなっており、市販薬を服用しても効果がない
- 頭痛が慢性化しており、日常生活に支障が出ている
突然の激しい頭痛や脳の障害を疑う症状があるときは、脳卒中などの恐れがあるため救急車を呼ぶか、直ちに脳神経外科のある総合病院を受診してください。
判断に迷う場合は?まずはかかりつけ医や総合内科に相談
目と頭のどちらの症状が中心なのか自分自身での判別が難しく、何科に行けばよいか迷ってしまう場合は、まずは近難の「かかりつけ医」や「総合内科」を訪ねましょう。全身の状態を総合的に判断した上で、必要に応じて専門の眼科や脳神経外科をスムーズに紹介してもらうことができます。
病院で行われる主な検査
適切な診断のために、医療機関では主に以下のような検査が行われます。
- 眼科:眼圧測定(目の硬さを計測)、細隙灯顕微鏡検査(目の充血や角膜の状態を観察)、眼底検査(視神経や網膜の異常を確認)、視野検査など
- 脳神経外科:頭部MRI・CT検査(脳梗塞、脳出血、くも膜下出血や脳腫瘍の有無を詳細に可視化)、血液検査など
これらの検査を受けることで原因を特定し、一人ひとりに応じた最適な治療計画を立てていくことができます。
もう繰り返さない!目の奥の痛みを予防する4つの生活習慣
痛みが出た時の一時しのぎだけでなく、日頃から生活習慣や作業環境を整え、目の奥の痛みや頭痛を繰り返し発生させない根本的な体作りをしていきましょう。
1. デスクワークの環境を見直す
パソコンやモニターは、目から50cm以上の距離をとって設置し、視線がやや下向きになるよう画面の高さを調整しましょう。椅子の高さを合わせて足の裏がしっかりと床につくようにし、背筋を伸ばした正しい姿勢を意識します。さらに、パソコン画面の明るさを周囲の光量と合わせ、必要に応じてブルーライトカット眼鏡を着用するのも、目の筋肉疲労を防ぐ優れた対策です。
2. 1時間に1回は目を休める
長時間の連続作業は眼精疲労の主な誘因です。1時間のデスクワークに対して10分から15分程度の短い休憩を必ず取る習慣を身につけましょう。休憩中はスマートフォンを見るのも避け、窓の外の遠くの景色をぼんやりと眺めて、凝り固まったピント調節筋をリラックスさせてください。
3. ストレスを上手に解消する
過度なストレスは自律神経の乱れを引き起こし、血管の過度な収縮や拡張、筋肉の硬直を招いて各種の頭痛を誘発します。休日には完全に仕事をオフにし、ヨガやウォーキングといった軽い運動を取り入れたり、お気に入りのカフェでゆっくり過ごすなど、意識的に心身を解放してリフレッシュできる時間を確保しましょう。
4. バランスの取れた食事と十分な睡眠を心がける
目の健康をサポートする栄養成分(ビタミンA、ビタミンB群、ルテインなど)を含んだバランスの良い食事を心がけ、細胞の修復に必要な睡眠時間を十分に確保してください。質の良い睡眠は自律神経のバランスを整え、慢性的な痛みの感受性を下げてくれるため、就寝前のスマートフォンの操作を控え、心地よく眠れる環境を整えることが効果的です。
まとめ:目の奥の痛みは体からのSOSサイン。放置せずに専門医に相談しよう
目の奥の痛みや頭痛は、「疲れがたまっているだけ」と放置してしまいがちですが、実際には過労や生活習慣の乱れ、あるいは目や脳に隠れた深刻な病気の存在を告げる、体からのSOSサインかもしれません。多忙を理由に受診を後回しにし、市販薬で痛みを紛らわせ続けることは、かえって症状をこじらせて健康や生活の質を低下させてしまう要因になります。安心して仕事や日々の生活に集中するためにも、痛みが持続する場合や症状が繰り返される場合は決して我慢せず、信頼できる医療機関を受診して的確な診断と治療を受けるようにしてください。ご自身の健康を最優先にし、健やかで快適な毎日を取り戻しましょう。
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